なぜ髪は薄くなるのか

男性の場合、20代中盤から薄毛になる人が少しずつ増えてきます。なぜ男性はハゲるのでしょうか。その理由を説明します。

薄毛の仕組みを知ればどういう対策が必要なのかが理解しやすくなります。

脱毛症にはいくつか種類がある

加齢でみられる薄毛やハゲは仕方がないと思っている男性は多いかもしれません。しかし、薄毛は「脱毛症」と呼ばれるれっきとした病気です。

脱毛症にはいくつかの種類がありますが、具体的には次のものになります。

  • 円形脱毛症
    強いストレスにより、10円玉くらいの円形のハゲができる脱毛症。
  • 脂漏性脱毛症
    皮脂の分泌が過剰により、頭皮の毛穴が詰まったり雑菌が繁殖して、毛根に炎症が起きることが原因の脱毛症。
  • 老人性脱毛症
    老化により、髪の根元にある毛母細胞が寿命を迎えることで、薄毛や全身の毛が少なくなる。
  • 抜毛症
    健康な髪を自分で引き抜いてしまうクセによって引き起こされる薄毛。
  • 薬物脱毛症
    抗がん剤など、一部の薬の副作用によっておこる脱毛症。
  • 男性型脱毛症(AGA)
    悪玉脱毛ホルモンの作用による脱毛症。ほとんどの男性薄毛はAGA(下で詳しく解説)

男性の薄毛に見られる特徴は?

AGAには次のような特徴があります。

これらの項目に1つでも当てはまる人は、AGAになっている可能性が高いです。

  • 頭頂部の髪が薄い
  • 生え際が薄くなり、後退している。またはM字になっている。
  • 髪の毛自体が細くなり、ボリュームが減った
  • 以前より抜け毛が増えた
  • 20代後半から30代になったころから薄毛が気になるようになった

男性の薄毛はほとんどがAGA

老化により男女ともに薄毛はみられます が、特に顕著なのは男性です。

男性の薄毛の90%はAGAによるものとされており、その他の種類の脱毛症の割合は少なくなります。統計によれば、AGAの男性は1,260万人というデータがあります。

これは成人男性の3人に1人がAGAであることを意味し、AGAは身近な脱毛症であるといえます。

AGAは進行性なので早めにケアをすることが大切です。

すでにAGAの症状が現われている人でも、適切な対策をすれば、髪を回復させることはある程度可能。そのためにも、日頃から自分の髪の状態をチェックすることが大切になります。

悪玉脱毛ホルモンがヘアサイクルを乱すから髪が薄くなっていく

世間にあふれている薄毛対策には、育毛剤や頭皮マッサージなどさまざまな種類があります。

注意したいのは、これらのすべてが薄毛に効果があるというわけではないということ。AGAへの有効なケアには、まずはAGAのメカニズムを知ることがポイントとなります。

人間の毛には、ヘアサイクル(毛周期)と呼ばれるものがあり、成長期、退行期、休止期の3つの時期を繰り返しています。

体の部位によって毛のヘアサイクルは異なりますが、特に頭髪ではヘアサイクルは次のように長めになります。

  • 成長期:期間は2~6年で、この間髪は伸び続ける。
  • 退行期:期間は約2週間で、少しずつ成長が弱くなる。
  • 休止期:期間は3~4か月で、髪の成長は止まっている。最後に髪が抜け、再び新しい髪が生えてくる

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AGAになるとヘアサイクルが乱れ、成長期が数ヶ月から1年くらいに短くなります。成長期の短い髪が増えると、毛自体が細いままなので、頭の薄毛が目立つようになります。

またAGAでは抜け毛も増えるようになります。ふつう1日に50~100本の抜け毛が自然にみられますが、AGAでは1日に200本も抜けることもあります。

ヘアサイクルが乱れるのは悪玉脱毛ホルモンが原因

AGAによってヘアサイクルが乱れるのは、「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれる男性ホルモンが、髪の成長を邪魔するのが主な原因です。

DHTは男性ホルモンでおなじみの「テストテロン」が、毛根で「5αリダクターゼ」という酵素と反応することで作られます。

DHTは、髪の毛母細胞にある男性ホルモン受容体と結合すると、髪の成長を止めるシグナルを発します。すると毛根は髪の成長を止め、脱毛の準備を始めてしまうのです。

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DHTの影響は加齢とともに強くなり、薄毛も進行していきます。

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このグラフは年代別のAGA発症率です。40代くらいから薄毛になる人が増えています。確かに薄毛は年配ので男性に多く見られます。

また、若い20代でもある程度の人がAGAになっていることがグラフからわかります。

ハゲる場所は人によって違う

ちなみにDHTの影響の受けやすさは毛根の部位によって異なります。特に影響を受けやすい毛根が、前頭部と頭頂部。ここがハゲている男性が多いのはこのためです。

一方、後頭部や側頭部の毛根はDHTの影響を受けにくいので、この部分が薄くなる男性は少なくなります。

AGAの治療では、DHTの働きを抑えることがポイントになります。よくみかける育毛剤や育毛シャンプー、育毛サプリにはDHTを抑える成分が含まれていないものがある ので、十分な効果が期待できない場合があります。

一方、病院では、「プロペシア(フィナステリド)」などDHTが生成されるのを抑える効果のある薬などが治療薬として使用されます。

AGAによる薄毛を治すのなら、薄毛治療の病院に行くのがおすすめです。早めに対策することで治る確率は高くなります。

↓ このページにAGAクリニックや薄毛治療についてまとめています。

薄毛治療におすすめの病院は?

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