ジヒドロテストステロン(DHT)の抑制が薄毛改善のポイント
ジヒドロテストステロン(DHT)は男性ホルモンの1種です。テストステロンが酵素5αリダクターゼと反応することでジヒドロテストステロンが作られます。
テストステロン+5αリダクターゼ=ジヒドロテストステロン
ジヒドロテストステロンの働きについて、日本皮膚科学会が公開している男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)は次のように説明しています。
男性ホルモン感受性毛 包の毛乳頭細胞には男性ホルモン受容体が存在する が,髭や前頭部,頭頂部の毛乳頭細胞に運ばれたテス トステロンはⅡ型 5α-リダクターゼの働きにより,さ らに活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)に変 換されて受容体に結合する.
(中略)逆に前頭部や頭頂部の男性ホルモン感 受性毛包においては,DHT の結合した男性ホルモン 受容体は TGF-β などを誘導し毛母細胞の増殖が抑制 され成長期が短縮することが報告されている12).
男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)より
ジヒドロテストステロンが髪の毛根に作用すると髪の成長が邪魔されるために薄毛になるということです。
男性薄毛はジヒドロテストステロンが原因
ジヒドロテストステロンの作用による薄毛をAGA(男性型脱毛症)といいます。中年以降の男性には、額の生え際が後退している、頭のつむじ付近の髪が薄くなっているといった薄毛を多く見ます。
これらはすべてAGAによる薄毛です。前頭部や頭頂部の毛根はジヒドロテストステロンの影響をうけやすいため、ジヒドロテストステロンの作用が強まる中年以降に薄毛が進行していきます。
男性薄毛のほとんどはAGAによるものです。もし男性で自分の髪が薄くなっているのならAGAになっていると考えて差し支えありません。
日本人の場合、成人男性の約3割がAGAによって薄毛になっています。
AGAにはフィナステリド(プロペシア)がよい
AGAによる薄毛を改善するのならAGA治療薬のフィナステリド(商品名プロペシア)の服用が有効です。
フィナステリドにはジヒドロテストステロンが作られるのを防ぐ効果があります。フィナステリドによってジヒドロテストステロンが減れば、成長を邪魔される毛根が少なくなるので髪が復活します。
上で紹介した男性型脱毛症診療ガイドラインでもフィナステリドが薄毛に対して有効であると記しています。
フィナステリドは,テストステロンをより強 力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換するⅡ型 5α-リダクターゼに対する阻害剤である1).
男性症例に 対しては,海外の 8 件の良質なランダム化比較試 験2)~9),国内の 1 件の良質なランダム化比較試験10)お よび 1 件の非ランダム化比較試験11)によって,フィナ ステリドの内服により写真評価による脱毛状態の改 善,毛髪数の増加,および毛髪重量の増加が証明され た.
男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)より
このフィナステリドは、病院で診察を受ければ手に入れることができます。
個人輸入でも買えますが、効き目には個人差があるので医師の診察を受けて調整してもらう方が良いです。
個人使用だと体中に毛が生えてきたり、逆に全然効果がない場合に対応に困りますが、医師ならそういった場合に適切に対応してくれます。
病院で薄毛治療を受ける人は年々増えています。薄毛を気にしているのならぜひ一度病院で薄毛の無料カウンセリングを受けてみてください。
こちらにおすすめの薄毛治療の病院をまとめましたので参考にしてみてください。
ジヒドロテストステロンと亜鉛やノコギリヤシ、その他の食べ物の関係
ネットの情報を見ると亜鉛やノコギリヤシ、牡蠣などの食べ物がジヒドロテストステロンを減らすとする情報があります。
ただ、その根拠が見つからないんですよね。あるいは「○○がDHTを減らすのに効果的と言われる」といった伝聞ばかりです。
ウィキペディアには亜鉛でDHTが減ったと書いてありますが、あくまで試験管実験での話です。
皮膚科の医師による髪に関する本には次のように書いてあります。
海藻類など食べものに限らず、さまざまなサプリメントも同じです。特定の成分を摂取することが髪を育てたり、髪を黒くさせるという話には、科学的な根拠がないと考えたほうがよいでしょう。
専門医が語る毛髪科学最前線p153より
薄毛を治すのなら根拠のはっきりしない亜鉛やノコギリヤシなどではなく、根拠のはっきりしたプロペシアによる治療を試すべきです。
↓ このページにAGAクリニックや薄毛治療についてまとめています。